スーパームーンが海浜地形変化に影響を与えていることを世界で初めて実証
令和2年11月19日
国立研究開発法人海上・港湾・航空技術研究所 港湾空港技術研究所 沿岸土砂管理研究グループの伴野雅之主任研究官を中心とする研究グループは、スーパームーン*1が、砂浜の地形変化に影響を与えていることを世界で初めて実証しました。これは、スーパームーンによって海岸侵食*2が増大する可能性を示唆するものです。本研究成果は、2020年11月18日付の科学誌Geophysical Research Letters(ジオフィジカルリサーチレターズ)電子版に掲載されました。高波浪や高潮がスーパームーンと重なった場合には、より大きな海岸侵食が生じる可能性があり、砂浜幅の減少や浸水等の沿岸災害を招く恐れがあります。将来の海面上昇に伴って海岸線の後退が予測されているなか、スーパームーンによって高まる海岸侵食リスクに対しても今後十分な対策が求められます。
*1 スーパームーン:月と地球の最接近(近地点)と満月のタイミングが重なった場合、通常の満月よりも大きく見える満月のこと。広義には、最接近と新月が重なった場合もスーパームーンと呼ぶ。月の公転軌道が楕円軌道であることによる現象。月と地球との距離は約35万7千kmから約40万6千kmまで変化し、地球に最も近づいた時の満月は最も遠い時と比べ直径で14%大きく見える。
*2 海岸侵食:海浜の土砂の移動や減少に伴った海岸線の後退。砂浜は海と陸の境界域であり,砂浜で波浪のエネルギーが失われることで、陸域が護られる。防災上の観点からも、様々な侵食対策が進められている。
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本研究で明らかとなったスーパームーンに伴う 地形変化の概略図 |
波崎海岸(茨城県神栖市)の波の遡上域 |
詳しくは、添付資料をご覧下さい。 添付資料 PDF/1.35 MB
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