海洋汚染防除研究グループ

EcoPARI 日常の沿岸環境予測から震災時の環境変化予測までの活用

Marine Pollution Management Group

日常におけるEcoPARIの用途としては以下のことが考えられます。例えば、生物にとって重要となる浅場を造成した際に、環境にとっていい影響はどの程度あるか、といった効果の検証に使用できます。また、湾口防波堤の建設した際に、湾の海水交換が環境に悪影響を及ぼすほど悪化しないかという検討にも使えます。さらに、近年は海の貧栄養が漁獲量の低下につながっているのでは、といった懸念から、下水処理場において栄養塩を取りすぎない効果の検証として、下水処理場管理運転を実験的に行っている海域があります。そのような下水処理場管理運転の影響の検討にも使用可能です。
一方で、2011年東日本大震災の際は底質の巻き上がりや、沿岸の汚水処理場の機能不全等による環境変化がありました。そのような環境変化を予測できることもEcoPARIの役割と認識しています。今後、南海トラフ巨大地震に伴う津波による沿岸環境変化も予想されます。その際に震災後の観測値を参照しつつEcoPARIを使用することで環境変化を速やかに予測に活用されることが期待されます。現状では、伊勢湾は速やかに解析を実施することが可能な体制が整っており、東京湾や大阪湾においてもモデルを構築中です。