港空研について 研究施設のご紹介

波崎海洋研究施設(茨城県神栖市)

波および流れによって海岸の底質が移動する現象(漂砂)は、海岸地形の変化や港湾の埋没を生じさせる要因であり、台風などによる荒天時など特に顕著になります。 波崎海洋研究施設は、日本一の規模を誇る全長427mの観測用桟橋を持ち、従来困難であった荒天時においても砕波帯内の観測を可能にしました。 この施設では、日々の観測を通じて砕波帯内における波、流れ、漂砂の物理機構を解明するとともに、漂砂に関連する諸問題に対処する技術の開発を行っています。
さらに、海洋生物動態、海岸植生環境、砂浜の有する海水浄化および栄養塩供給機能、飛砂や飛沫の問題、渚の温熱環境等に関する調査を併せて実施しており、海の物理環境と生物環境について総合的な研究を行っています。

波崎海洋研究施設(茨城県神栖市)の画像

諸元

桟橋全長:427.0m
桟橋先端水深:波崎港工事基準面下 -5.5m 
橋脚スパン:15.00m(22ヶ所),14.25m(1ヶ所),10.75m(2ヶ所),28.50m(1ヶ所) 
橋脚径:0.80m(11本),0.70m(13本),0.60m(11本) 

観測桟橋の定点撮影映像

ドローンによる撮影映像

ライブ配信

沿岸土砂管理研究グループ

アカウント:@HORS_Hasaki  ユーザーネーム:波崎海洋研究施設(HORS)
波崎海洋研究施設 公式Twitter 運用方針:こちらから

沿岸土砂管理研究グループ

砕波帯内における波、流れ、漂砂の物理機構を解明するとともに、漂砂に関連する諸問題に対処する技術の開発を目的とした日本唯一の観測用桟橋です。

須田浜海岸の海底断面測定、流速測定 毎週1回、地形断面、沿岸流速の測定、および目視観測を行っています。陸上部の地形断面はレベルとスタッフを用いて測量し、海域部は桟橋上から重さ約3kgのレッドを海底面まで降ろして測量します。沿岸流速については約50m間隔で桟橋上から浮き(フロート)を流して測定します。目視観測では波向き、波の高さ、波の周期、砕波帯幅などを観測してます。さらには毎月1回、平面的な地形測量(汀線測量)を行っています。

材料研究グループ

材料研究グループ

鋼材はコンクリートと並んで港湾構造物の主要な建設材料です。しかしながら,海洋環境は鋼材の腐食に対して非常に過酷な環境といえます。海洋環境における鋼構造物を健全な状態で長期間維持するためには,十分に防食を行う必要があります。
波崎海洋研究施設は,茨城県鹿島灘に位置しています。ここでは,長期にわたって防食効果が期待できる最適な防食工法を検討することを目的として,海洋環境に位置する実鋼構造物の鋼管杭に各種防食工法を適用して試験を行っています。現地試験は1984年から開始され,現在も継続して試験を行っています。