研究について
研究成果
円柱状シアキーによる部材接合部の耐荷性能に関する実験的検討
発行年月 | 港湾空港技術研究所 資料 1428 2025年06月 |
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執筆者 | 田中 豊、加藤 絵万、網野 貴彦、田中 亮一 |
所属 | 構造研究領域 構造研究グループ |
要旨 | 地球温暖化による気候変動に伴い,海面水位の上昇および台風の激甚化が予想されている.これらに対して港内静穏度の確保や後背地の防護を達成するためにも,既設防波堤や護岸の嵩上げ等のハード的な対策の検討・実施が今後増加すると考えられる.嵩上げに際しては,既設部と新設部の一体性の確保を目的として目荒らしが行われるが,部材接合部の耐荷性能への寄与が十分に明らかになっていないこと等から,設計には陽に反映されていない.そこで本検討では,建築分野で開発・研究が進められてきた円柱状シアキーを用いた接合面の処理工法に着目し,港湾構造物への適用性および特に接合部のせん断抵抗への寄与を検討するため,基礎的な強度試験および実大せん断試験を実施した.その結果,引張強度は圧縮強度との関係式から得られる値を特性値として用いることができること,曲げ強度は引き続きの検討が必要であるものの,平面保持を仮定した梁の曲げと応力の関係から計算できることを示した.また,せん断強度は既往の提案式の適用性を確認するとともに,試験結果からせん断強度のばらつきを考慮する部分係数1.3を提案し,円柱状シアキーによる部材接合部のせん断強度の設計式を提案した. キーワード:円柱状シアキー,引張強度,曲げ強度,せん断強度,部材接合 |
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TECHNICALNOTE1428(PDF/2,443KB)
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