研究について
研究成果
流動生態系シミュレーションシステムEcoPARIのプリ・ポストプロセスに関するWebアプリケーションの開発
発行年月 | 港湾空港技術研究所 資料 1420 2024年12月 |
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執筆者 | 松崎 義孝、井上 徹教、久保田 雅也、松本 大輝、佐藤 朋之、坂本 光、内藤 大輔 |
所属 | 海洋環境制御システム研究領域 海洋汚染防除研究グループ |
要旨 | 本論文はEnvironmental Modelling & Softwareで出版された論文 “Web application of an integrated simulation for aquatic environment assessment in coastal and estuarine areas”の構成を一部変更して日本語訳したものである. 本稿では,流動生態系シミュレーションシステムEcoPARIを用いて流動と生態系に関する数値シミュレーションを実施するために必要となる計算条件の作成(プリプロセス)と可視化(ポストプロセス)の両方が可能なWebアプリケーション型Graphical User Interfaceを開発した. これらのプロセスは水環境の数値シミュレーション実施においてもっとも作業負荷が大きい部分であり,Webアプリケーション化によって大幅な効率化が期待できる. このGUIにより沿岸・河口域の流体力学や生態系シミュレーションが容易になり,専門的な知識が無くても基本的な設定と操作が可能となる. 開発したシステムは,(1)流速,水温,塩分,水位をシミュレーションできる流体力学モデル,(2)水中での溶存酸素,植物プランクトン,動物プランクトン,栄養塩をシミュレーションできる生態系モデル,(3)堆積物中での溶存酸素,栄養塩,金属,底生生物等をシミュレーションできる底生生態系モデルから構成され,プリプロセスとポストプロセスをWebアプリケーションで一貫して行う初めての試みである. なお,ソルバー部分のWebアプリケーション化については近い将来の実装を予定している. Webアプリケーションはインストールが不要で,誰でも簡単に計算できることが大きな特徴である. そのため,提案システムは,モデルの潜在的なユーザーが経験する専門知識のギャップを埋めるのに役立つ. 本研究で議論されているような標準システムを使用することで,証拠に基づく政策立案(EBPM)が容易になる. キーワード:水環境数値シミュレーション,環境影響評価,Graphical user interface,Evidence-based policymaking |
全文 |
TECHNICALNOTE1420(PDF/3,564KB)
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