研究について
研究成果
臨海部舗装直下地盤の吸い出し・空洞形成・陥没過程の実大実験と地中レーダーによる空洞発達の早期評価・同定手法
発行年月 | 港湾空港技術研究所 資料 1419 2024年09月 |
---|---|
執筆者 | 梁 順普、佐々 真志、工代 健太、和田 優希 |
所属 | 地盤研究領域 動土質研究グループ |
要旨 | 護岸や岸壁等の港湾施設の背後地盤において,水理外力の継続的な作用により裏埋砂が吸い出され,それに伴う地盤内の空洞形成・発達及び陥没に代表される吸い出し被害が全国的な問題となっている.臨海部の舗装直下における吸い出しによる地盤の陥没を未然に防止するには,舗装直下の空洞を早期に探知することが重要である. そのためには,吸い出しによる空洞の生成・発達過程並びに地盤の陥没過程を,舗装を考慮した上で明らかにすると共に,舗装直下の空洞を早期に評価・同定しうる方法が必要である.本資料では,上述を背景として,アスファルト及びコンクリート舗装直下地盤において,吸い出しによる空洞形成・発達及び地盤の陥没過程を再現し,舗装の種類や舗装厚が吸い出し災害の発生機序ならびに地中レーダーの空洞探知精度に及ぼす影響を明らかにすると共に,地中レーダー探査による空洞の早期評価・同定手法を構築することを目的として,大型吸い出し可視化装置を用い,一連の実大規模の模型実験・分析を実施した.本研究において得られた主要な知見は,以下の通りである. 1) アスファルト及びコンクリート舗装直下地盤における吸い出し,空洞形成・発達及び陥没過程並びにその機構を明らかにした. 2) 舗装直下地盤の吸い出しによる空洞形成・発達及び路盤の崩落過程は,主に地下水位に左右され,舗装の種類や舗装厚の影響を受けない.一方,舗装の 種類や舗装厚により空洞発達に伴う舗装の破壊過程には大きな違いがある. 3) 舗装の種類や舗装厚は,地中レーダーの空洞可探深度に大きく影響し,舗装の種類や舗装厚によっては地表から1 m以深で空洞が形成・発達した際,そ の時点の測定では空洞の探知が困難になる. 4) 吸い出しがまだ生じていない又は進んでいない時点の地中レーダー探査結果との比較により,吸い出しによる空洞発達深度の早期評価・同定が可能である. キーワード:吸い出し,空洞,陥没,舗装,地中レーダー |
全文 |
TECHNICALNOTE1419本文(PDF/5087KB)
|