研究について

研究成果

腹付工を有する混成堤の破壊特性と粘り強さを増す腹付工の形状

発行年月 港湾空港技術研究所 報告 62-1-2 2023年03月
執筆者 栗原 大、高橋 英紀
所属 地盤研究領域 地盤改良研究グループ
要旨

 近年,砕石マウンド上にコンクリートケーソンを設置する混成堤は,ケーソン背後に砕石を積み上げ,押さえ盛土(腹付工)を構築して補強されている.防波堤に求められる重要な性能の1つは,設計波力を越える外力が作用した場合でも被災程度が軽微であり,防波堤の性能が残存することである.本研究では,腹付工を有する混成堤の破壊過程と終局状態を遠心模型実験により調べ,混成堤の粘り強さを向上させる腹付工の断面形状について検討した.その結果,ケーソンの転倒モードにおいて,積み上げる砕石量が減少すると,ケーソンの傾斜に合わせて腹付工が変形し,その後,ケーソンが転倒して腹付工に乗り上げることが分かった.また,その位置でバランスが崩れると,ケーソンは法面を滑落し,壊滅的な破壊に至った.系統的な遠心模型実験により,ケーソン脇に砕石を多く設置することで,壊滅的な破壊が起こりにくくなることを示した.さらに,混成堤の安定性を円弧すべり計算により評価し,ケーソン脇の腹付工の体積を大きくすることが安定性の観点において重要であることを示した.

キーワード:防波堤,粘り強さ,腹付工,遠心模型実験,円弧すべり計算

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