研究について

研究成果

現地試験による係留施設を対象とした地震時の残留変位計測手法の精度検証

発行年月 港湾空港技術研究所 資料 1365 2020年02月
執筆者 大矢 陽介・小濱 英司
所属 地震防災研究領域 耐震構造研究グループ
要旨

 災害発生時に係留施設の利用可否判断に必要な残留変位の計測方法として、衛星測位および無人航空機(UAV)による取得画像を利用した計測方法を検討した。UAVによる方法は、航空機やカメラの種別、飛行や撮影の条件および対象施設の立地や形状等の諸条件により精度が大きく変わるため、変位計測精度の確認および計測時の課題抽出を目的に、港湾施設における現地試験を行った。試験における計測精度は衛星測位(RTK-GNSS)、UAV写真測量の順序であったが、UAVによる方法の計測精度も地震後の被災状況を把握する目的では、十分な精度であることが分かった。また、災害時に地盤変位によって岸壁背後の地上基準点を利用できない場合、UAVによる取得画像から係留施設の残留変位を評価することは困難であったが、岸壁付近の基準点が利用できる場合やRTK測位の利用によって、地震災害を想定した条件下においても一定の変位計測精度が確保できることが分かった。

キーワード:係留施設、残留変位、地震被害、UAV、GNSS

全文 TECHNICALNOTE1365(PDF/2,363KB)