研究について

研究成果

長期海洋暴露試験および実構造物調査に基づくコンクリートの塩化物イオン拡散性状に関する検討

発行年月 港湾空港技術研究所 資料 1339 2018年03月
執筆者 与那嶺一秀、山路徹、加藤絵万、川端雄一郎
所属 構造研究領域 材料研究グループ
要旨

 本検討では、まず、長期海洋暴露試験を基に、コンクリートの塩化物イオン拡散メカニズムに関する検討を行った。次に、試験体および実構造物から収集した見かけの拡散係数Dap の実態を基に、鉄筋腐食開始時期の予測時に用いる塩化物イオン拡散係数の特性値を算出する式の導出を行った。得られた主な知見を以下に示す。

(1)高炉スラグ微粉末の置換率の増加とともに、塩化物イオン浸透抵抗性が向上した。また、時間が経過しても浸透フロントが停滞する傾向が観察された。
(2)暴露期間が5 年程度経過すると、Dap は定常値を示す傾向が確認された。
(3)実構造物の見かけの拡散係数は、普通ポルトランドセメントでは0.1~1.6cm2/年程度、高炉セメントB 種では0.1~0.8cm2/年程度の値を示していた。
(4)鉄筋腐食開始時期の予測時に用いる塩化物イオン拡散係数の特性値Dk として、以下の式を提案した。

(※ OPC の場合/BB の場合 提案式については PDFファイル参照のこと)

キーワード:暴露試験、実構造物調査、コンクリート、塩化物イオン、見かけの拡散係数、 拡散係数の特性値

全文 TECHNICALNOTE1339(PDF/1,739KB)