研究について

研究成果

岩ズリを用いた岸壁の地震時挙動に関する実験および解析

発行年月 港湾空港技術研究所 報告 054-02-3 2015年09月
執筆者 小濱英司、瀬戸口修造、楠謙吾、八尾規子、山﨑浩之、水谷崇亮、平井壮
所属 地震防災研究領域 耐震構造研究チーム
要旨

 2011年東北地方太平洋沖地震において、埋立に岩ズリを用い、液状化していないと考えられる岸壁においても被害が生じた事例がいくつか見られた。岸壁背後の岩ズリ埋立部において生じた沈下被害には、地震時における岩ズリの体積収縮が寄与していることが考えられる。
 本研究では岩ズリの基礎的な物理・力学特性を調べつつ、岩ズリ水平地盤の振動実験を実施して、その密度と体積変化挙動の関係を検討した。また、被災した重力式岸壁および矢板式岸壁を模擬した模型振動実験を実施し、その被災要因と岩ズリの岸壁挙動への影響を検討した。岩ズリを用いた岸壁の地震時挙動の評価を目的として、岩ズリ水平地盤の振動実験結果をもとに二次元有効応力解析を用いて岸壁模型振動実験の再現解析を行った。また、実岸壁の地震時挙動検討に必要となる原位置での岩ズリ密度の測定手法についても検討した。その結果、地震時の繰返しせん断時の動的挙動は岩ズリの種類により異なることを明らかにし、岸壁の耐震性能評価のための数値解析に岩ズリの振動実験結果を適用する方法を示した。

キーワード:岩ズリ、体積ひずみ、振動台模型実験、数値解析

全文 REPORT54-2-3(PDF/17,395KB)