研究について

研究成果

桟橋上部工点検用ROV の提案と現場実証試験によるその運用支援機能の検証

発行年月 港湾空港技術研究所 資料 1303 2015年03月
執筆者 田中敏成、加藤絵万、野上周嗣、平林丈嗣
所属 新技術研究開発領域 計測・システム研究チーム
要旨

 定期的な点検診断は港湾施設の維持管理において重要な役割を果たしている。桟橋のコンクリート上部工の一般定期点検診断においては,梁や床版底面の外観を潜水士や小型ボート等に乗船した調査者によって目視点検を実施している。しかし,その実施は波浪や潮汐等の海象状況や,船舶の係留や荷役作業等の施設の利用状況に左右されることが多く,従来よりも安全かつ効率的な点検手法の開発が求められている。  
 その点検診断の安全性と効率を確保するために,筆者らは上方撮影カメラを装備した半没水型ROV試験機を開発した。開発したROVは,GPS信号を直接利用できない桟橋上部工下における自身の測位と運動計測機能を有している。ここで適用した音響測位機能とオプティカルフローによるROVの簡易運動推定機能は,オペレータのための遠隔操作支援機能として働くものである。また,逐次取得される位置情報は撮影画像に自動的に関連付けられて点検位置情報の管理機能として働くものである。これらの運用支援機能の有用性については,桟橋上部工下面の目視点検の現場試験を実施して検証を行った。

全文 TECHNICALNOTE1303(PDF/7,157KB)