研究について

研究成果

桟橋上部工の維持管理シナリオに関する検討

発行年月 港湾空港技術研究所 資料 1296 2014年12月
執筆者 野上周嗣、 加藤絵万、 川端雄一郎、佐藤徹
所属 ライフサイクルマネジメント支援センター
要旨

 港湾施設は一般的に厳しい自然環境下に置かれることが多く、材料の劣化、部材の損傷等により供用期間中の性能低下が生じやすい。そのため、必要な性能を維持できるよう、適切な維持管理を行うことが求められている。
 本検討では、港湾施設の構造物・部材のうち、維持管理上の課題、特に材料劣化に伴う耐久性の低下に対する課題が多いとされている鉄筋コンクリート製の桟橋上部工を対象として、維持管理計画等に記載する項目のうち、対策の要否、対策工法およびその時期、また点検診断の内容および実施頻度を対象とした計画(維持管理シナリオ)の策定について検討を行った。 桟橋上部工の維持管理レベルをレベルⅠおよびⅡとして、塩害劣化に対する事前対策を適用した場合や各種補修工法を適用した場合など、現状の技術で想定されうる維持管理レベルごとの維持管理シナリオ6 ケースについて、ライフサイクルコスト(LCC)を指標とした比較を行った。
 なお、検討の対象とした桟橋上部工の諸元や対策等に要する費用、また設定する維持管理シナリオは、ある一定の条件の下に設定したものである。ここで設定した各費用やシナリオは、実際の桟橋上部工のすべてに当てはまるものではなく、LCC 算定結果は本検討の条件下においてのみの結果であることに留意が必要である。

全文 TECHNICALNOTE1296(PDF/6,426KB)