研究について

研究成果

UHP-SHCCの巻立てによる桟橋の鋼管杭頭部の構造性能評価

発行年月 港湾空港技術研究所 資料 1295 2014年12月
執筆者 川端雄一郎、 忽那惇、 加藤絵万、 岩波光保、 羽渕貴士、 網野貴彦、 田中亮一、 国枝稔
所属 構造研究領域 構造研究チーム
要旨

 桟橋の下部工である鋼管杭は、干満帯から飛沫帯にかけて一般的に被覆防食が行われる。しかし、防食材料の紫外線劣化あるいは漂流物の衝突により、想定した期間よりも早期に防食性能が低下することがある。一方で、地震時や船舶の接岸時には、鋼管杭頭部と上部工の接合部付近は曲げモーメントが大きくなる。そのため、鋼管杭頭部および接合部が構造的な弱点とならないよう、適切な耐力を保有していることが求められる。著者らは、高強度繊維補強セメント系複合材料の一つである超高強度ひずみ硬化型モルタル(Ultra High Performance - Strain Hardening Cementitious Composite;UHP-SHCC)に着目し、UHP-SHCCの鋼管杭頭部への巻立てによる防食および補強の技術開発について研究を行っている。本研究では、桟橋上部工と鋼管杭頭部を模擬した大型鋼管試験体を作製し、鋼管の構造性能の向上効果を検証する載荷試験を行った。鋼管にUHP-SHCCを巻き立てることで、降伏曲げ耐力の向上が確認された。さらに、UHP-SHCCによる鋼管の補強効果を評価することを目的として、ファイバーモデルを用いた降伏曲げ耐力の算定を行い、実験結果との比較を行った。

全文 TECHNICALNOTE1295(PDF/1,959KB)