研究について

研究成果

ウォータージェットとセメントミルクジェットを併用したバイブロハンマ工法の大径鋼管杭への適用

発行年月 港湾空港技術研究所 報告 53-3-1 2014年12月
執筆者 水谷崇亮、森川嘉之、菊池喜昭、森安俊介、武野正和、山下久男、中元 靖英
所属 地盤研究領域 基礎工研究チーム
要旨

 港湾構造物の基礎工として鋼管杭を用いる場合、打撃工法により施工されることが一般的である。しかしながら、港湾に隣接する地域の都市化や工場立地の進展に伴い、騒音・振動が問題となって、打撃工法が採用できない事例が増加しつつある。そこで、比較的低騒音・低振動でありながら、打撃工法と同等以上の軸方向抵抗力を確保する工法としてウォータージェットとセメントミルクジェットを併用したバイブロハンマ工法(以下、RSプラス工法という。)が開発され、実績を延ばしている。
 一方、岸壁の大水深化や設計の合理化が進み、杭に求められる軸方向抵抗力が増加する傾向にある。これに合わせて、使用される杭の大径化が進んでいる。これに対し、現行のRSプラス工法の適用範囲は杭径1000mmまでとされており、それを超える大径杭への適用については十分な検討がなされていない。大径杭に適用するには、施工性や性能の確保、設計の考え方等について、改めて検討する必要がある。
 そこで、RSプラス工法を大径鋼管杭に適用するにあたり解決すべき課題を抽出し、それについて一連の模型実験や数値解析を行った。その結果を基に、大径鋼管杭に対応した新たなRSプラス工法を開発した。さらに、その工法により施工した杭について静的押込み試験を行い、過去に実施された載荷試験結果と対比することで設計の考え方を整理した。新しいRSプラス工法の適用限界は杭径1600mm程度と考えられる。

全文 REPORT53-3-1(PDF/2,897KB)