研究について

研究成果

低頭型コンテナクレーンの大規模地震時挙動に関する模型振動実験及び数値解析

発行年月 港湾空港技術研究所 資料 1289 2014年09月
執筆者 小濱英司、 安藤和彰、 菅野高弘、 羽田大作、 佐藤宗史
所属 地震防災研究領域 耐震構造研究チーム
要旨

 空港周辺の区域においては進入表面や円錐表面などの制限表面の設定があり、建物等の高さが制限される。コンテナ埠頭がこのような区域にある場合には、休業時にブームを起立させず、テンションバーやAフレームも有しない低頭型のコンテナクレーンを採用することが考えられる。しかし、低頭型コンテナクレーンは国内で導入された事例は無く、我が国の構造物設計において重要となる地震時の動的性質は不明である。現行の港湾基準で想定されるレベル2地震動のような大きな地震動に対する挙動や、近年耐震強化施設において標準的となっているコンテナクレーン免震装置の適用性については明らかにされていない。
 本研究においては、低頭型コンテナクレーンの実機における振動観測を行い、その振動特性を確認し、通常のコンテナクレーンよりも固有周期が短い傾向であることを確認した。そこで得られた情報を参考にして1/16スケールの低頭型コンテナクレーン模型を作製し、模型振動実験によりレベル2地震動クラスの大規模地震時における動的挙動の把握と、免震装置やブームスライド機構の適用性について検討した。また、3次元フレームモデルを用いた数値解析を行い、応答加速度や脚荷重、免震装置部変位等の模型振動実験結果の再現性を確認した。

全文 TECHNICALNOTE1289(PDF/15,276)