研究について

研究成果

廃棄物海面処分場の遮水工施工時の品質管理・評価手法の提案

発行年月 港湾空港技術研究所 資料 1262 2012年12月
執筆者 渡部要一、井筒庸雄、溝上健、沖健、山田耕一、鵜飼亮行、辻匠、御手洗義夫、浅田英幸、永留健、田中良典、森晴夫
所属 地盤研究領域 土質研究チーム
要旨 廃棄物海面処分場の鉛直遮水工は、廃棄物と海洋とを隔てる重要な機能を担っている。1998年の基準省令の改正により強化された遮水構造を実現するための個別の技術については、鉄鋼メーカー各社ならびに施工会社によるこれまでの研究・開発により、実現可能な技術レベルが達成されている。しかし、施工された遮水工の遮水性能を検査することの重要性が指摘されているにもかかわらず、膨大な数量の遮水継手すべてを検査することは不可能であり、確実な遮水性能を実現するために、施工管理を通じた品質管理手法の開発が求められている。本研究では、サンプル抽出された継手部の遮水機能検査と施工管理記録とを有機的に結びつけることにより、確実な遮水性能を実現するための品質管理・評価手法を開発し、提案することを目的としている。具体的な工事事例を対象として、遮水鋼矢板打設時および打設後に様々な施工管理項目についてデータ収集を行い、施工記録データと遮水性能との関連性を検討した。また、実測データに基づいたこれらの検討結果を踏まえ、確実な遮水性能を担保するための品質管理・評価手法の開発・提案を試みた。その結果から、膨大な情報が記録されている施工管理データ(矢板の打設速度、バイブロハンマの電流値、矢板の頭部温度)のノイズを除去し、データを平均化処理するためのデータ抽出ピッチや加工法について示した。施工管理データ(矢板の打設速度、バイブロハンマの電流値、矢板の頭部温度)を用いて負荷がかかっている矢板を抽出するには、施工管理データを護岸法線方向と深度方向からなる断面情報として連続データを可視化表示(画像化)することが有効であることがわかった。
全文 /PDF/no1262.pdf