研究について

研究成果

長周期波対策工の消波性能について

発行年月 港湾空港技術研究所 資料 1205 2009年12月
執筆者 平石哲也、平山克也、小澤敬二、森屋陽一
所属 海洋・水工部 海洋・水工部長
要旨  周期数十秒~数分の長周期波は、我が国の太平洋や日本海に面した大型港湾において、しばしば荷役障害や係留索の切断等の事故を起こしてきた。著者たちが1996年に港湾における長周期波被害のメカニズムを明らかにして以来、様々な対策法が提案されてきた。それらの有望な対策法の一つとして、幅の広い捨て石堤を港内に設置して、長周期波の港内での多重反射による増幅を防止する手法がある。これまでに、構成が異なる捨て石堤や渦を発生させて反射波を防ぐ渦消波堤などが別個に提案されてきたが、それらの効果を統一して比較した試みはなされていない。本研究では、各種タイプの港内長周期波対策工の反射率を1枚の図面で比較すると共に、現地で試験的に設置された港内捨て石堤の適用性を調べた。得られた主な結論を以下に示す;  ⅰ)捨て石堤型の長周期波対策工の反射率は、B/L (堤幅/波長) によって変化し、推定図が得られた。  ⅱ)渦消波型の対策工は、特定の周期について大きな効果を有し、反射率を0.6以下にすることができる。  ⅲ)現地で設置された港内捨て石堤の反射率について、観測から得た値は、設計時の推定値と一致した。
全文 /PDF/no1205.pdf