研究について

研究成果

沿岸域に用いた気泡混合処理土の長期安定性確認調査

発行年月 港湾空港技術研究所 報告 048-02-07 2009年06月
執筆者 渡部要一、田中政典、佐々真志
所属 地盤・構造部 土質研究チーム
要旨 近年、軽量化によりもたらされる高い付加価値に期待して、気泡混合処理土は沿岸域での施工実績を着実に伸ばしている。しかしながら、気泡混合処理土は不適切な現場環境の下では劣化が進行し、甚大な損傷を受ける可能性も有している。本研究では、気泡混合処理土(SGM)が沿岸域での工事において、本格的に利用された初期の代表事例である神戸港ポートアイランドおよび東京国際空港の護岸工事を取り上げ、実環境で養生された気泡混合処理土に対する劣化の有無を把握するために、打設から約10年間にわたり実施してきた一連の追跡調査結果を取りまとめた。その結果、気泡混合処理土の力学特性は、当該地盤に要求される十分な強度が維持されていること、また、経時的な劣化傾向は見られず、むしろ強度が増加する傾向にすらあることがわかった。これは一般的なセメント固化処理土に共通して見られる特徴と同様である。調査結果により、当該事例の気泡混合処理土は沿岸域の実際の現場環境の下で、10年経過した今日でも安定した材料特性が維持されており、かつ、特段の劣化兆候も見られないことが確認され、土木材料として十分な長期耐久性を有していることが実証された。
全文 /PDF/vol048-no02-07.pdf