研究について

研究成果

汀線位置の長周期変動特性および汀線位置変動の変化量に及ぼす沖波エネルギーフラックスと沿岸流速の影響

発行年月 港湾空港技術研究所 報告 047-03-01 2008年09月
執筆者 鈴木崇之、栗山善昭
所属 海洋・水工部 沿岸土砂管理研究チーム
要旨 茨城県波崎海岸における汀線位置、沿岸流速、および鹿島港沖にて観測された沖波波浪の変動特性を把握すると共に、1000日以上の長周期成分を再合成した、汀線位置変動の変化量、沖波エネルギーフラックス、沿岸流速の関係を対象海岸において観測された15年間のデータを用いて検討した。その結果、汀線位置は岸沖方向に1年間で平均約42 m変動すると共に、長期的にも15年の間に約36 m変動していたことが分かった。汀線位置の長期変動の変化量と沖波エネルギーフラックスの岸沖方向成分の長周期変動の間には、沖波エネルギーフラックスが増加するほど汀線位置が後退する関係が見られた。また、沿岸流速の長周期変動とも相関関係が見られ、南向きの流れが増加するほど汀線位置が後退する関係が見られた。しかしながら、沖波エネルギーフラックスの沿岸方向成分の長期的変動との間に相関関係は見られなかった。汀線位置の長期変動の変化量と相関関係が見られた、沖波エネルギーフラックスの岸沖方向成分と沿岸流速の長期変動は、おおむね同じ割合で、汀線位置の長期変動の変化量に影響を与えていることが示唆された。
全文 /PDF/vol047-no03-01.pdf