研究について

研究成果

海洋環境下におけるステンレス鉄筋の耐食性に関する検討

発行年月 港湾空港技術研究所 資料 1176 2008年06月
執筆者 山路徹
所属 地盤・構造部 主任研究官
要旨  本研究では、海洋環境下におけるコンクリート中のステンレス鉄筋SUS430、SUS304、SUS316の耐食性について検討を行った。得られた知見を以下に示す。 (1) コンクリート中におけるSUS430、SUS304 およびSUS316の耐食性は非常に優れており、腐食発生限界塩化物イオン濃度の値は普通鉄筋(炭素鋼)の場合よりかなり大きな値を示すことが確認された。SUS430 の場合で14.2kg/m3以上、SUS304の場合で12.0 kg/m3以上、SUS316の場合で14.5kg/m3 以上であると考えられた。 (2) ステンレス鉄筋SUS430、SUS304 およびSUS316 を使用した場合、普通鉄筋の場合と比較すると、鋼材の腐食に対するひび割れ幅の限界値を緩和できることが確認された。 (3) 海洋環境に位置する桟橋上部工におけるライフサイクルコストの試算を行った結果、ステンレス鉄筋を用いて建設した場合、供用年数期間のライフサイクルコストで比較すれば、普通鉄筋を用いて建設し、供用期間中に補修を行う場合より安くなる可能性が示された。
全文 /PDF/no1176.pdf