研究について

研究成果

産業副産物(製鋼スラグ・フライアッシュ・高炉スラグ)を有効利用したコンクリートの品質および耐久性に関する研究

発行年月 港湾空港技術研究所 報告 047-02-04 2008年06月
執筆者 審良善和、山路徹、濵田秀則
所属 地盤・構造部 材料研究チーム
要旨 本研究は、産業副産物(製鋼スラグ、フライアッシュおよび高炉スラグ)を用いたFSコンクリートの港湾構造物への適用を目的として、FSコンクリートの品質や耐久性について検討を行った。FSコンクリートは、細骨材にフライアッシュおよび製鋼スラグを、粗骨材に高炉スラグ粗骨材を用いたコンクリートであるが、コンクリート容積のおよそ7割を占める骨材の物理化学的特性は、コンクリートのフレッシュおよび硬化後の品質に大きく影響する要因の一つである。FSコンクリートの利用拡大を目指すためには、安心して利用できる安定なコンクリートであることが望ましい。しかしながら、FSコンクリートは不安定骨材を利用する特殊コンクリートであるため、フレッシュおよび硬化後のコンクリートの性状は未だ不明な部分が多い。そこで、1) FSコンクリートに用いる製鋼スラグの品質試験方法、2) FSコンクリートの配合設計手法、3) 硬化したFSコンクリートの安定性、4) FSコンクリートの耐久性について検討を行った。  その結果、比較的簡便にFSコンクリートの強度および安定性を考慮した配合設計が可能で、硬化後のコンクリートは、製鋼スラグとフライアッシュとのポゾランによって膨張を抑制し、硬化体組織は緻密な構造となる。また、FSコンクリートは塩害に対する耐久性に優れ、普通コンクリートの力学特性と同等であることなどから、 FSコンクリートの港湾施設への適用は可能であると考えられる。
全文 /PDF/vol047-no02-04.pdf