研究について

研究成果

産業副産物系骨材を使用した硫黄固化体の耐海水性に関する基礎的研究

発行年月 港湾空港技術研究所 資料 1166 2007年12月
執筆者 審良善和、堀井秀之、濱田秀則、山路徹
所属 地盤・構造部 材料研究室
要旨  本研究は、スラグや貝殻などの産業副産物を主としたリサイクル材料の港湾への適用を目指して、硫黄に添加剤を加えて重合させた改質硫黄と石炭灰の混合物を結合材とし、産業副産物(製鋼スラグ、電気炉スラグ、ホタテ貝殻)を骨材として用いた硫黄固化体の耐海水性について検討を行ったものである。本報告では、各種海洋環境下(海上大気中、海中部、干満部、飛沫部)における1年間の暴露試験後の材料物性について報告する。また、劣化促進を目的として、40℃の海水を用いた浸漬試験後、および乾湿繰り返し試験後の材料物性についても報告する。その主な結果を以下に示す。  (1)海中部、および40℃海水へ浸漬させた製鋼スラグ、電気炉スラグ、ホタテ貝殻を骨材に用いた硫黄固化体の圧縮強度は低下傾向を示さず、かつ「港湾の施設の技術上の基準・同解説」に示されるコンクリート強度の参考値(無筋コンクリートで圧縮強度18N/mm2)以上を有していた。また、藻類の着生も良好であることから、根固めブロック、被覆ブロック、藻礁などの無筋 の構造物に適用できると考えられる。  (2)40℃海水浸漬試験において、いずれの硫黄固化体についても曲げ強度が低下傾向を示していることから、曲げ応力を考慮する必要がある構造物へ適用する場合は、その構造物の荷重条件を考慮して配合設計や材料選択をする必要がある。
全文 /PDF/no1166.pdf