研究について

研究成果

PVA短繊維補強コンクリートの耐衝撃性向上効果の検討

発行年月 港湾空港技術研究所 資料 1163 2007年09月
執筆者 岩波光保、白根勇二、横田弘、山田岳史、竹鼻直人
所属 地盤・構造部 主任研究官
要旨  港湾構造物では、防波堤における衝撃砕波力のような衝撃力が繰り返し作用することによって損傷に至った事例が報告されている。そのため、港湾構造物に適用可能な耐衝撃性の向上方策を検討する必要がある。  本研究では、PVA短繊維補強コンクリートの適用性について調べるため、要素レベルのコンクリート供試体の高速載荷実験と重錘落下による鉄筋コンクリートはりの繰返し衝撃載荷実験を実施し、PVA短繊維補強による耐衝撃性の向上効果について検討を行った。コンクリート供試体の高速載荷実験では、圧縮試験、割裂引張試験および曲げ試験を実施した。その結果、PVA短繊維を混入したコンクリートの力学特性においても、一般的なコンクリートと同様に、ひずみ速度依存性が認められ、圧縮強度のひずみ速度依存性は割裂引張強度や曲げ強度のものより大きいことがわかった。さらに、鉄筋コンクリートはりの繰返し衝撃載荷実験の結果、PVA短繊維を混入した場合、破壊までに要する繰返し載荷回数が増加した。これは、PVA短繊維の補強効果により曲げ剛性の低下が緩和されたためであり、繰返し衝撃荷重に対する抵抗性が向上することが示された。
全文 /PDF/no1163.pdf