研究について

研究成果

現地港湾の長周期波対策における透過堤の適用性

発行年月 港湾空港技術研究所 報告 046-03-01 2007年09月
執筆者 平石哲也,平山克也,南靖彦
所属 海洋・水工部 波浪研究室
要旨 長周期波による港湾の係留索の切断事故や荷役障害が各地で報告され、荷役障害を抑止するために、防波堤等による入射長周期波の遮蔽等の対策が検討されている。一方、港内の水質改善や海水交換を促進させるために透過型の防波堤を活用する港湾も増えている。透過型防波堤は波周期が長くなると透過率が増大するため、長周期波対策としては適切ではないと考えられてきた。本研究では、海水交換を図るための透過型防波堤を長周期波対策にも活用するために、最初に防波堤からの透過波を考慮した港内静穏度解析を実施し、透過堤の適用性を調べた。次に、静穏度対策に有効な透過率を有する構造を決めるために、水理模型実験と数値解析を実施して、防波堤構造および堤幅と透過率や反射率の関係を調べた。  非線形波浪変形モデルで港内における長周期波に対する静穏度を調べた結果、非透過堤に比べて、透過率が0.1~0.4の透過堤を設置した場合に、対象港湾内での静穏度が上がることが判った。次に目標とする透過率を満足する防波堤の形式と幅を設定するために、捨石堤および有孔型ケーソン堤について模型実験と直接流体解析法を用いた数値実験で、堤体幅・開口率と透過率との相関を明らかにした。
全文 /PDF/vol046-no03-01.pdf