研究について

研究成果

丸太組構法の壁交差部を含む二径間連続梁要素の曲げせん断載荷実験

発行年月 港湾空港技術研究所 資料 1132 2006年06月
執筆者 山田昌郎
所属 地盤・構造部 構造強度研究室
要旨  地球環境と国土保全の観点から、スギ、ヒノキ、カラマツ等の国産材の需要拡大が課題となっている。そこで本研究では、護岸の土留めなどへの丸太組構法の適用を想定し、部材要素レベルの力学特性を載荷実験により検討した。  実験ではノッチ(切り欠き)を組み合わせた交差部を支点とする二径間連続梁試験体に、二点集中荷重を載荷した。試験体にはカラマツ円柱加工材(直径10cm)を用いた。円柱直径(d)に対する載荷点と交差部の距離(a)の比(a/d)を2.0~5.0 の7 通りに変化させて実験した。  実験の結果、試験体の中間反力(R)と荷重(P)の比(R/P)は、荷重ピーク時の全試験体の平均値で0.574 であり、この値は単純支持を仮定した計算値の83.5%であった。初期不整、めり込み、交差部のばね変形、試験体のせん断変形等の影響が複合してR/P の減少が生じたと考えられる。曲げ破壊応力は38.7~62.7 N/mm2 で曲げ基準強度特性値の2.2~3.5 倍、せん断破壊応力は6.7~7.5N/mm2 でせん断基準強度特性値の3.9~4.4 倍に達したことから、ノッチの深さ方向に直角な方向に荷重が作用する場合には、応力集中による強度低下を考慮する必要はないことが推測された。
全文 /PDF/no1132.pdf