研究について

研究成果

グリーンベルトによる津波力の軽減に関する水理的検討

発行年月 港湾空港技術研究所 資料 1124 2006年06月
執筆者 平石哲也、南靖彦、田中政典
所属 海洋・水工部 波浪研究室
要旨 2004年12月26日にスマトラ島沖で発生したマグニチュード9.0の地震によってインド洋沿岸に巨大津波が来襲し、未曾有の被害を与えた。被害後の調査によって、マングローブなどの海岸樹木林に防護された村落では被害が比較的小さかったことが報告されている。海岸の樹木帯による津波防災施設をグリーンベルトと呼ぶ。グリーンベルトによる津波力の軽減効果を、グリーンベルトの密度と幅を変化させて調べ、密度(N:100m2 あたりの樹木本数)が大きく、幅(B:海岸線に直角方向のグリーンベルト幅)が広くなるほど、背後の津波力は軽減されることを示した。ただし、軽減効果は海岸の地形によっても異なることが判明した。たとえば、パプアニューギニア北岸のシッサノ地区を用いた試計算では、N=15,B=100m のグリーンベルトによって遡上した津波の力が半減されることが推測できた。
全文 /PDF/no1124.pdf