研究について

研究成果

鋼管杭の防食工法に関する現地試験(20年目の中間報告)

発行年月 港湾空港技術研究所 資料 1123 2006年06月
執筆者 宮田義一、阿部正美、浜田秀則、清水一夫、中野啓眞、芥川博昭
所属 地盤・構造部 材料研究室
要旨  鋼管杭は海洋構造物の部材として広く用いられており、鋼管杭を防食するために、様々な防食工法が適用されている。茨城県神栖市にある波崎海洋研究施設砕波帯総合観測用桟橋の鋼管杭に、各種防食工法を適用して1984 年から開始した試験は、毎年現地試験を重ね2004 年度で20 年目を迎えた。本資料は20 年間の暴露に耐えた、各種防食工法の耐久性および防食効果等の詳細試験結果を中間報告としてまとめたものである。試験は現在も継続中であるが、この暴露試験研究から得られた主な点をあげると以下のようになる。  (1) 次にあげる被覆防食工法は、20 年間、防食効果が維持されていた。超厚膜型エポキシ樹脂塗装工法、ポリエチレンライニング工法、水中硬化型ライニング工法、極厚マスチック防食工法、電着工法、CRUS工法、ペトロラタムライニング工法(チタンカバー工法、ポリエチレン樹脂カバー工法、FRP 樹脂カバー工法)  (2) 流電陽極方式の電気防食工法は、干満帯の防食にも効果があり、またサンドエロージョンの防止効果も期待できる。  (3) 鋼材の電位を防食電位(-780mV 銀塩化銀電極基準)よりも卑値な-900mV まで分極した場合、陽極からの発生電流は顕著な低減が認められた。したがって、鋼材の電位を-900mV 以下とすれば陽極の寿命が延命される。
全文 /PDF/no1123.pdf