研究について

研究成果

ハリケーン・カトリーナによる米国メキシコ湾岸の高潮災害の現地調査

発行年月 港湾空港技術研究所 資料 1121 2006年06月
執筆者 河合弘泰、平石哲也
所属 海洋・水工部 海洋水理・高潮研究室
要旨  ハリケーン・カトリーナは2005年8月29日に米国ニューオーリンズ市付近に上陸し、メキシコ湾の沿岸に甚大な高潮・高波災害をもたらした。本研究では、その被災状況を現地で調査し、以下のことを明らかにした。 1.この災害はメキシコ湾の高潮・高波とポンチャートレン湖の高潮によって生じたものである。これらの海域は、水深が非常に浅く、高潮が発生しやすい顕著な地形をなしている。 2.ボーン湖の高潮でInner Harbor Navigation Canal の堤防が決壊し、さらにポーチャートレン湖の高潮で17th Street Canal やLondon Avenue Canal の堤防が決壊することで、ゼロメートル地帯を広く有するニューオーリンズの市街地が浸水した。 3.ニューオーリンズ市の郊外に位置するセントバーナード郡やプラークマイズ郡の沿岸では、ボーン湖やメキシコ湾の高潮が堤防を越流して浸水した。 4.メキシコ湾に直接面した、ミシシッピ州やアラバマ州の海岸では、メキシコ湾の高潮・高波によって建物が破壊され、バージやボート、コンテナが漂流した。  また、このような被災状況を踏まえながら、今後の日本の高潮防災の課題についても整理した。
全文 /PDF/no1121.pdf