研究について
研究成果
バイラテラル操作系を用いた次世代水中作業機械システムの構築に関する研究
発行年月 | 港湾空港技術研究所 報告 044-04 2005年12月 |
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執筆者 | 平林丈嗣、山本恭、酒井浩、加藤英夫、横井博志 |
所属 | 施工・制御技術部 制御技術研究室 |
要旨 | 港湾施設はその大部分が水面下に構築されるため、その整備や点検・診断、維持・補修、あるいは災害復旧も含めて、その多くは水中での作業となるが、現在は相当程度を潜水士等の人力に依存している。このため水中作業を一層安全で効率的に行うことができる技術の確立が急がれる。現在、陸上での沿革操作技術については、主としてTVカメラ等を用いる方法で多くの研究開発が行われており、特に災害復旧現場において実用化されているものも存在する。しかし、水中では視覚情報の欠落という問題点があり、作業機械の遠隔操作の研究はほとんどなされていない。これは、水中では濁りや浮遊物質による光の散乱により対象物の視認が困難であるなどの特殊な環境下にあるため、作業の無人化が容易でないからである。 そこで本研究では、視覚情報が得られない状態でも遠隔操作が可能な水中独自のインターフェイスとして、作業機械から得られる接触情報を用いこれをバイラテラル操作系によりオペレータにフィードバックする遠隔操作手法を提案し、水中バックホウによる捨石荒均し作業を対象事例として研究を進め、室内模型実験、陸上実験を経て、平成16年度に実施工現場における実海域実験を行い、その施工精度や施工能力について検討を行った。 この実験の結果、無視界の遠隔操作において施工精度は+17cm±8cm、施工能力は25.6㎡/hであり、潜水士が搭乗する施工方法と同等の施工精度、施工能力を有していることが明らかとなった。この遠隔システムでは、作業中に生じる濁りにより視覚情報を得られないような状況においてもオペレータは作業を継続しることができ、これは当初の目的であった視覚情報に頼らない遠隔操作を実現できたといえる。 |
全文 |
/PDF/vol044-no04.pdf
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