研究について

研究成果

細粒分含有率を考慮した砂質地盤の締固めの設計法の提案

発行年月 港湾空港技術研究所 報告 044-03-03 2005年09月
執筆者 山﨑浩之、永野賢次
所属 地盤・構造部 動土質研究室
要旨  著者らはサンドコンパクションパイル工法(以下SCP 工法)による杭間N 値の予測法について、せん断による負のダイレイタンシーに着目した予測法を既に提案している。しかし、同予測法には締固め効果に及ぼす細粒分含有率の影響が考慮されておらず、実務への適用性が低かった。そこで、本報告では、実務への適用性を高めるために締固め効果に及ぼす細粒分含有率の影響を考察し、予測法の修正を行い、細粒分含有率の影響を考慮した杭間N 値の予測法を新たに提案している。新しく提案した方法で必要となるデータは、従来から実務設計で用いられているのと同じく、圧入前のN値、細粒分含有率、圧入率の3 つである。また、提案した方法のSCP 工法以外の締固め工法へ適用性の確認、および静止土圧係数K0の増加の影響を取り入れた方法も誘導しK0の影響について考察した。主要な結果は以下のとおりである。 (1)修正した新しい方法は圧入後の実測N値の増加が細粒分含有率の増加とともに低下する傾向を表現できており、予測の精度が向上しより実用的になった。 (2)修正した新しい方法は実測N 値の増加を過小評価する傾向にあり、これはK0の増加が評価されていないことが原因の一つであった。N 値のばらつきや安全側を考慮すると通常はK0 の影響を無視した新提案式を用いた方が良い。 (3)修正した新しい方法が、SCP 工法とは異なる施工方法である静的圧入締固め工法への適用が可能であることが確認できた。
全文 /PDF/vol044-no03-03.pdf