研究について

研究成果

ブロック移設作業の無人化・省力化を目的とした網チェーン式ブロック移設技術の開発

発行年月 港湾空港技術研究所 資料 1098 2005年06月
執筆者 野口仁志
所属 施工・制御技術部 流体技術研究室
要旨 港湾および海岸に設置されている消波ブロックの撤去は、従来は、一般には、作業員あるいは潜水士が、消波ブロックの隙間にワイヤーロープを通して玉掛けを行い撤去しているが、足場が不安定で危険な作業である。  そのため、前報では網チェーンを用いたブロック移設装置を考案し、無人でブロックを撤去・移設できることを模型実験等により実証した。  本稿では、本装置を用いて、ブロックが視認出来ない状況での撤去模型実験を行うとともに、ブロック撤去工事での活用事例を報告し、作業時間効率、コストについて検討した。また、ブロック以外の種々の形状の物体の模型回収実験を試みた。  その結果、 ・ブロック不視認下の模型実験においては、視認可能な場合の時間効率が75 秒/個に対し、装置の運用方法を工夫した方法では145 秒/個、装置の形状 等を工夫した方法では、93 秒/個であった。 ・視認可能な水中ブロックの移設工事においては、本装置の作業効率は、5 分/個と潜水士による従来方法の6.1 分/個を上回った。 ・工事の作業方法を本装置の特性が十分発揮できる形態にすることで、作業効率は、ブロックが視認できる状況では、約3 分/個、視認できない状況では約4~6 分/個、コストは、従来の人力工法の1/3程度に抑えられる試算結果となった。 ・本装置は、水底に埋没したブロック、及び種々の形状の物体回収にも適用 することが期待できる。
全文 /PDF/no1098.pdf