研究について

研究成果

長周期波対策護岸の効果に関する模型実験と数値計算

発行年月 港湾空港技術研究所 報告 1093 2004年12月
執筆者 平石哲也
所属 海洋・水工部 波浪研究室
要旨  周期数十秒~数分の長周期波が港内へ侵入すると、係留系との共振によって、大型船舶に振幅の大きいサージングやスウェイング動揺が引き起こされ、動揺が大きくなると、荷役作業が中断されたり、係留ロープが切断されることがある。このような長周期波による荷役障害対策として、新しい港内消防工「長周期波対策護岸」の整備が提案された。これは、海側と裏込め側の両面にスリットを有するケーソンを活用し、裏込め材を透過性の砕石層として、長周期波の反射率を下げることを目指している。ここでは、まず水路実験によって、長周期波対策護岸の反射率が測定され、実験範囲では、砕石の粒径および砕石層の長さが大きくなるほど反射率が低下し、おおよそ0.7になることが示された。  次に、直接流体解析法を応用して、長周期波対策護岸近傍での3次元流体運動を解析できる計算法が提案され、この計算法の適用性は、模型実験で検証されている。また、数値解析によって、砂浜や通常の直立消波護岸と長周期波対策護岸の反射特性が比較された。その結果、長周期波対策護岸は、長周期波に対して、砂浜と同様な消波機能を有し、斜め波の場合には、その消波効果がより上がることが推測された。
全文 /PDF/79c9c8555c1a2c87ad8be0da60c5d96dcf89eb5a.pdf