研究について

研究成果

CADMAS-SURFを用いた衝撃波力計算への適用性

発行年月 港湾空港技術研究所 資料 1081 2004年06月
執筆者 有川太郎、下迫健一郎
所属 海洋・水工部 耐波研究室
要旨  砕波や越波水塊による衝撃的な壁面作用力は、通常の波力に比べかなり大きな力を生じさせることがある。それらの力に対し経験的な実験公式が提案されているものの、実験効果のばらつきが大きいために、数値シミュレーションによる予測手法を確率することが望ましい。しかし、数値計算による波圧予測を行ったところスパイクノイズと呼ばれる非常に大きな数値計算誤差の発生が問題となっている。スパイクノイズの性質が、衝撃波圧の性質と似ているために、その適切な除去方法は難しい。そこで、本研究では、耐波設計に特化したVOF法を用いた数値波動水路プログラムであるCADMAS-SURFを用いて、スパイクノイズの原因を明らかにするとともに、その対策を提案した、さらに、本モデルを用いて、ケーソン直立壁に作用する衝撃砕波圧および護岸背後地にある構造物に作用する越波水塊の作用圧に対して適用し、その妥協性を確認した。以下に本研究における結論をまとめる。  1.衝撃砕波圧に関する計算と実験結果の比較として、砕波直前ならびに砕波後の波の直立壁に作用する圧力に対して適用したところ、実験結果を 精度良く再現することを確認した。  2.護岸背後地にある構造物に作用する越波水塊の流体圧における実験との比較を行ったところ、衝突をしたときの作用圧だけでなく、衝突した水 塊が壁面にぶつかった後、床に衝突した水塊が再度壁面に衝突した際の作用圧も適切に再現していることを確認した。  3.台風により越波浸水被災を受けた地域において、護岸前面の断面形状ならびに波浪条件の違いから生じた局所的な被災程度の差を計算により適切に再現した。
全文 /PDF/no1081.pdf