研究について

研究成果

海上空港用地造成への管中混合固化処理工法の適用に関する研究

発行年月 港湾空港技術研究所 報告 1076 2004年03月
執筆者 佐藤恒夫
所属 海洋・水工部 海洋・水工部長
要旨  中部国際空港は、3,500mの滑走路を擁し、国際線・国内線を合わせた2025年の計画対象旅客数2,000万人を見込む24時間離着陸可能な国際空港として、2005年3月開幕予定の「愛知万博」に合わせて開港出来るよう、名古屋市の南約35kmの愛知県常滑市沖合の伊勢湾海上でその建設工事が進められている。同空港は、1969年に国際空港が構想されて以来、中部圏地域において悲願のプロジェクトである。中部国際空港建設地の立地条件は、海上空港としては比較的恵まれているため深刻な技術的課題はないが、極めて厳しい施工工期の下で、大量かつ安定的に供給できる良質な既存の土砂供給源がない中部圏地域にあって、良質な埋立用材の安定的な確保がプロジェクトの成否を左右する根幹的課題であった。そのため、必要な埋立用材の約2割について、名古屋港の浚渫工事によって発生する浚渫土を有効活用することとした。対象とする浚渫土は軟弱な粘性土であり、埋立後に圧密促進工法により供用を図るという従来の方法では、工期的、経済的に困難であることから、セメントを固化材とする管中混合固化処理工法による埋立を行うこととした。  本論文では、軟弱な浚渫土による埋立工事を大量急速施工するために、2001年6月から2002年10月の間に採用した管中混合固定化処理工法の本格適用に関し、当工法を採用するにあたり、固化処理土の設計の考え方、浚渫土と固化材の配合に関する管理、固化処理土の打設に伴う出来型の管理、連携した事業間の調整など、多くの技術的課題に対してとった新たな技術開発の経緯とその結果について評価を行なうことを目的とした。
全文 /PDF/2f350a5895e8201d520f3bf1aac4a4f2903eef3f.pdf