研究について

研究成果

ハイブリッド型フェンダーにより係留された浮体の動揺特性-メガフロート情報基地機能実証実験報告-

発行年月 港湾空港技術研究所 報告 041-04-02 2002年12月
執筆者 飯島一博、白石悟、佐藤平和
所属 地盤・構造部 海洋構造研究室
要旨 船体と岸壁の間で緩衝の役割を果たすフェンダーはこれまで様々な特性のものが提案されている。フェンダーは大きく、定反力型と反力漸増型に分類される。定反力型フェンダーは変形量が小さい範囲ではフェンダー反力が比較的大きく、変位が大きくなった場合には反力がほぼ一定になるいという特徴を有する。反力がそれ以上増加しない定反力部を持つので、ドルフインや岸壁の設計荷重を大きく設定する必要がない点で有利である。一方で、反力漸増型フェンダーでは変形量が小さい範囲では反力が比較的小さく、変形が増加するに従って反力の増加率が漸増する特性を持っている。変形量が小さい範囲で反力が小さいために、常時の動揺を低減できる特長を有している。本研究では変形量が小さい範囲では反力漸増型の特性を持ち、変形量が大きくなると定反力型の特性を有するハイブリッド型フェンダーを提案し、実証を行う。平成13年度にハイブリッド型フェンダーを含む係留システムを用いて、メガフロート情報基地と呼ばれる大型浮体を係留する実証実験を行った。本報告ではメガフロート情報基地の係留実証実験の状況を報告すると共に、動揺シミュレーションによる実験結果の再現、通常船舶係留へのハイブリッド型フェンダーの適用の検討、ハイブリッド型フェンダーの縮尺模型による圧縮実験などを通して、ハイブリッド型フェンダーの工学的可能性を示す。
全文 /PDF/vol041-no04-02.pdf