研究について

研究成果

海洋環境下にあるプレテンション方式PC構造物への電気防食の適用に関する研究-暴露10年結果報告-

発行年月 港湾空港技術研究所 資料 1008 2001年09月
執筆者 青山敏幸、阿部正美、浜田秀則、福手勤、関博、井川一弘
所属 地盤・構造部 材料研究室
要旨 本研究は、海洋環境下におけるPC構造物への電気防食適用性を検討するため、あらかじめコンクリートに塩化物イオンを9kg/m3混入し、海水散布環境下に10年間にわたり無防食状態、および「網状陽極」、「チタン線」、「亜鉛シート」、「導電性塗料」方式で電気防食を施したプレテンション方式PCはりについて、暴露終了後に実施した静的載荷試験、PC鋼材の腐食状況、PC鋼材引張試験、コンクリートの塩化物イオン含有量測定、陽極材の性能試験等の結果をとりまとめたものである。得られた主要な結論は以下の通りである。 1)暴露期間中の電気化学的測定により防食効果があると判断された「網状陽極」、「亜鉛シート」、「導電性塗料」方式は、腐食の程度が非常に軽微であり、電気防食による防食効果を確認した。 2)一方、電気化学的測定により防食効果なしと判定された「チタン線」方式、および無防食供試体は、PC鋼材の腐食が認められた。 3)電気防食による防食効果が得られた供試体は、PC鋼材の機械的性質も規格値以上を満足していた。 4)電気防食による防食効果が得られた供試体は、PCはりの力学的挙動も暴露前と同等の性能を有していた。一方、電気防食による防食効果を得ることができなかった「チタン線」方式、無防食供試体は、隅角部2本の鋼材の破断により、暴露前に実施した供試体に比べ終局荷重が約35%低下した。
全文 /PDF/4d6993627e3066f034da9d2fa00c8a44cdc928e2.pdf