研究について

研究成果

空港舗装用常温複合混合物の開発に関する研究

発行年月 港湾空港技術研究所 資料 0993 2001年07月
執筆者 山路徹、福手勤、小林耕平、菅野幸浩、安藤豊、安久憲一
所属 構造部 材料研究室
要旨 空港舗装においては一般道路と比較して上載荷重が大きいため、アスファルト舗装はわだち掘れが生じやすく、特に耐流動性の向上が課題となる。一方、コンクリート舗装は耐久性には優れるものの、施工が大がかりで養生に長時間を要すること、ひびわれの発生を抑制するために適当な間隔で目地を設けなければならないことが課題となる。  このような背景から、両者の長所を兼ね備えた、セメントアスファルト乳剤系常温複合混合物を空港舗装用材料として開発することを目的として研究を行った。  本研究において、空港舗装に特有の重荷重下での耐流動性、乾燥収縮について主に着目して室内試験を行い、材料選定および配合について検討を行った。次に、室内実験から得られた配合を用いて、試験施工を実施し、施工性および舗装性状の確認を行った。  一連の検討の結果、得られた結論を以下に示す。 (1)舗装の耐流動性および表面性状の向上のためには、セメント量の増量が最も効果的であった。しかし、増量により乾燥収縮ひび割れが発生しやすいため、両者のバランスを考えると、セメント量は3.7%程度配合することが望ましい。 (2)乾燥収縮ひび割れは、アスファルト乳剤量の増量により低減されるが、増量により耐流動性が損なわれるため、両者のバランスを考えると、アスファルト乳剤量は9.5%程度配合することが望ましい。 (3)重交通下にある空港舗装においては、高い耐流動性が必要とされる舗装の基層として用いることが可能である。
全文 /PDF/no0993.pdf