研究について

研究成果

クレーンの振れ止め制御におけるノッチフィルタによるロッキング振動対策

発行年月 港湾空港技術研究所 報告 039-01-04 2000年03月
執筆者 門前唯明、田邊俊郎、鈴木武
所属 機械技術部 機械作業システム研究室
要旨 コンテナターミナルの運営においては、本船荷役中にコンテナクレーンを待たせずに、ヤードの荷役機器を稼動させることが重要な目標の1つである。そのため、トランスファークレーン荷役の高速化が望まれているが、課題の1つに、風等によって生じる吊り荷の振れの収束時間を短縮するための、振れ止め制御の高性能化が挙げられる。そのためには制御系内の遅れをできるだけ小さくする必要があるが、最近の大型化されたトランスファークレーンではコンテナの2次振れ(ロッキング振動)が発生し易く、スピルオーバを防止するために、振れ検出信号からロッキング振動成分を除去するためのローパスフィルタをかける必要があり、これにより振れ検出に位相遅れが生じて、振れ止め性能を劣化させている。そこで、ローパスフィルタに代えて、ロッキング振動数のオンライン同定機構を備えたノッチフィルタによるロッキング振動除去方法を考案した。そして、シミュレーションによって、0.2mの初期振れが±50mm以内に減衰するまでの収束時間が従来の10.9秒から6.2秒に短縮され、振れ止め制御性能が向上することを確認した。
全文 /PDF/vol039-no01-04.pdf