研究について

研究成果

気泡混合処理土の透水特性

発行年月 港湾空港技術研究所 報告 037-01-02 1998年03月
執筆者 菊池喜昭、吉野博之
所属 土質部 基礎工研究室
要旨

 現在開発が進められている軽量混合地盤材料(SGM軽量土)の透水特性を知ることは、この材料の海水による劣化の促進の問題や、SGM軽量土からのアルカリ分の溶出などの問題の有無を明らかにするために重要である。本研究では、SGM軽量土のうち、気泡混合処理土、すなわち気泡を混入することによって軽量化したSGM軽量土の透水特性を調べるために、三軸透水試験、定ひずみ速度圧密試験、段階載荷圧密試験を実施した。また、圧縮性のある間隙流体を含む土の透水特性と圧密特性を考慮するモデルを構築してこれらの実験をシミュレーションし、気泡を含むSGM軽量土の透水特性を検討した。

 その結果、以下のような結論を得た。

1)気泡を含むSGM軽量土の真の透水係数はセメントを含む母材の透水係数とほぼ一致する。

2)気泡を含むSGM軽量土では、気泡の存在のため、初期に気泡が圧縮する環境ではみかけの透水係数が大きくなる。

3)気泡を含むSGM軽量土の透水係数を圧密試験結果から求める場合には、気泡を含むSGM軽量土中の気泡の圧縮性を考慮に入れることにより適切に透水係数を決定することができる。

全文 /PDF/vol037-no01-02.pdf