研究について

研究成果

溶接鉄筋の物理試験と溶接鉄筋網を用いたコンクリート梁接合部材の力学特性

発行年月 港湾空港技術研究所 資料 0847 1996年09月
執筆者 藤澤孝夫、清宮理
所属 構造部 構造強度研究室
要旨  鉄筋コンクリート製の港湾用ケーソンの現場作業の合理化・省力化のために溶接鉄筋網が提案されている。一般的には鉄筋同士を溶接すると熱影響により鉄筋母材の疲労強度が低下することが指摘されており、鉄筋コンクリート工事の分野ではかなり使用が限定されている。そこで、港湾用ケーソンに溶接鉄筋網を適用する際の技術的課題を検討し適用性を調べた。本研究では溶接鉄筋網の各種物理試験を行い、溶接が鉄筋に与える影響の程度を調べるとともに、溶接鉄筋網を用いて接合部を有するコンクリート梁試験体を製作し、載荷試験を行った。今回鉄筋同士の溶接は抵抗溶接とアーク溶接の2種類を対象とした。  試験の結果、溶接により曲げ性能、伸び及び疲労強度の低下が見られた。しかしながら溶接鉄筋網を港湾用ケーソンに適用する際、ケーソンに作用する荷重状況(発生応力度の状況)や施工状況(曲げ加工、重ね継手など)を考慮し十分な溶接管理を行えば、十分採用可能である。
全文 /PDF/no0847.pdf