研究について

研究成果

コンクリート舗装用グラウト材の品質

発行年月 港湾空港技術研究所 資料 0818 1995年12月
執筆者 八谷好高、福手勤、梅野修一、田中順
所属 構造部 材料研究室
要旨 コンクリート系材料によるコンクリート舗装の補修法として、プレストレストコンクリート(PC)プレキャスト版による打ち換え工法が実用化されている。また、PC舗装が沈下した場合の補修法としてリフトアップ工法が開発されている。両者にはコンクリート版と路盤との間の空隙を充填しなければならないという共通点がある。このほか、前者ではプレキャスト版を相互に結合する場合にもグラウトが必要となる。  本研究では、このようなグラウト材の品質について検討を加えた。まず、供用中に破損の生じたPCプレキャスト版舗装の現状について調査した後、現在一般的に用いられている規格に基づいたグラウト材の品質規格について詳しく吟味した。そして、新しい形式のグラウト材の可能性についても検討した。一連の結果は、以下のようにまとめられる。 1)グラウト材の耐荷力不足は、段差、目地部の破損といった路面性状の悪化に結びつき、初期に建設されたPCプレキャスト版舗装は供用後数年で補修が必要とされる状況に至った。 2)裏込め用、ホーンジョイント孔充填用グラウト材とも、規定強度(材齢7日)の60%に相当する荷重応力を20,000回程度繰返して載荷した場合には破損は生じていない。 3)航空機荷重によりグラウト層に加わる応力は、裏込め用では7~12kgf/平方センチメートル、ホーンジョイント孔充填用では400~600kgf/平方センチメートルにもなる。 4)グラウト材に関する規定としては、流動性と保持時間、強度、収縮、部リーディングのほか、水浸状態での耐久性が挙げられる。 5)裏込めを対象とした新しいグラウト材として、フィラー入りセメントミルク、セメントモルタル、有機エマルジョン系材料について検討した結果、それらの実用性が検証できた。
全文 /PDF/no0818.pdf