研究について

研究成果

鋼骨組を用いたコンクリート部材の力学特性

発行年月 港湾空港技術研究所 資料 0792 1994年12月
執筆者 山田昌郎、清宮理
所属 構造部 構造強度研究室
要旨  現場施工の省力化を図って、工場で製作した鋼骨組を鉄筋の代わりに用いるコンクリート部材の力学特性を検討した。曲げ耐力、靭性、曲げひびわれ幅、およびせん断耐力を調べるために、26体の梁試験体の曲げ載荷実験を行った。実験の変動要因を、主鋼材比、鋼材表面の突起高さ、せん断補強鋼材の間隔と向き、コンクリートの種類とした。  載荷実験の結果、曲げ破壊形態は通常の鉄筋コンクリートと同様であった。すなわち引張主鋼材が降伏したあと、圧縮縁コンクリートの破壊が生じ、十分な靭性を有していた。降伏荷重および最大荷重については、鉄筋コンクリート梁と同様に、鋼材とコンクリートの間にずれが生じないことを仮定した計算方法で予測できた。  最大曲げひびわれ幅と荷重の関係に関しては、コンクリート標準示方書の算定式における付着性状の影響係数の値を、突起高さに応じて1.0から1.3とし、ひびわれ間隔がせん断補強鋼材間隔と一致すると仮定して計算したところ、実験結果と概ね一致した。  せん断に関して、せん断スパン比を1.4とした試験体の斜めひびわれ発生荷重は、二羽式による計算値と概ね一致した。せん断補強鋼材のひずみの測定値は計算値よりもやや大きかった。ただし載荷に伴うひずみの増加量は、トラス理論による計算値と概ね一致した。
全文 /PDF/no0792.pdf