研究について

研究成果

砂マウンドを有する粘土地盤中の杭の横抵抗

発行年月 港湾空港技術研究所 資料 0790 1994年12月
執筆者 北詰昌樹、宮島正悟
所属 土質部 地盤改良研究室
要旨  日本の沿岸域には軟弱な粘土地盤が厚く堆積していることが多く、このような地盤中に打設される杭構造物の横抵抗は非常に小さいため、何らかの対策が求められることが多い。地盤の横抵抗力を補強する工法として、置換工法やサンドコンパクションパイル工法などがよく行われている。しかし、これらの工法は改良効果は大きい反面、施工に要する費用も大きく、また、置換工法は浚渫した軟弱粘土の捨て場所の確保や、海域の汚濁といった問題も解決せねばならず、近年では施工がますます困難になると考えられる。そのため、波力などの水平荷重が比較的小さい場合には、このような本格的な地盤改良工法ではなく、杭の周囲に砂・捨石マウンドを設することで杭の横抵抗力の改善を図りたいとする声もある。  本研究では、杭周辺に砂マウンドを設置した場合の載荷実験を遠心模型実験装置を用いて行い、マウンドの設置が水平荷重を受ける杭の挙動に及ぼす影響について検討を加えた。実験では25gの遠心加速度場で、正規圧密された模型粘土地盤中に設置された杭に対して静的水平載荷実験を行った。研究では、模型杭の曲げ剛性、砂マウンドの高さおよび幅を変化させ、載荷荷重、杭頭変位、曲げモーメント分布等の計測を行った。また測定された曲げモーメント分布から地盤反力係数を求め、横抵抗に及ぼすマウンドの効果について検討を加えた。
全文 /PDF/no0790.pdf