研究について

研究成果

北海道南西沖地震津波による奥尻港東防波堤の被災再現実験

発行年月 港湾空港技術研究所 資料 0789 1994年12月
執筆者 鶴谷広一、中川康之
所属 海洋水理部 水理研究室
要旨  平成5年7月12日に発生した北海道南西沖地震津波により、奥尻港東外および東B防波堤の開口部でマウンド部が洗掘され堤頭函がそれぞれ転倒水没するという被害が生じた。その原因として津波来襲時に開口部(幅約35mの船通し)が狭窄部となり、そこでかなり速い流れが生じたことが考えられる。これまで、津波による防波堤の被災携帯は、津波力による直立部の滑動・倒壊が多く、今回のようなマウンド部の洗掘による被災例は数少ない。しかし、同様の防波堤形状をもつ港湾は全国に多数存在するため、今後このような被災に対する対策を考えていく上で、ブロックの洗掘削現象に関して検討しておくことが重要である。  そこで本論文では、奥尻港東外および東B防波堤の開口部を実験水槽内で1/15の模型により再現し、津波を想定した流れを作用させることによりマウンドブロックの洗掘状況を調べた。実験ではまず定常流による水位・流速分布の測定を行い、開口部周辺での流れのパターンを調べた。つぎに現地スケールで周期10分の津波を想定した往復流を作用させることにより、被災状況の再現ならびにマウンドブロックの移動状況について調べた。さらに長水路を用いて、被覆ブロックの移動限界に関する検討も行った。
全文 /PDF/no0789.pdf