研究について

研究成果

1993年北海道南西沖地震津波の特性と被害

発行年月 港湾空港技術研究所 資料 0775 1994年06月
執筆者 高山知司、鈴木康正、鶴谷広一、高橋重雄、後藤智明、永井紀彦、橋本典明、長尾毅、細山田得三、下迫健一郎、遠藤仁彦、浅井正
所属 海洋水理部 海象調査研究室
要旨  平成5年(1993)7月12日22時17分に発生した北海道南西沖地震(M=7.8)によって起こされた津波は日本海沿岸、特に奥尻島および北海道南西海岸に来襲した。この津波によって、奥尻島においては200名以上の人命が失われた。このように多くの人命が失われた原因としては、津波が大きかったことに加え、夜半であったことや奥尻島近海で起きたため地震発生後、数分で来襲したことが考えられる。  港湾技術研究所においては、津波災害が発生後すぐに北海道開発局と連絡を取り、北海道開発局と協力しながら、現地調査チームを派遣した。また、日本海沿岸への津波の影響を考え、第一および第二港湾建設局と協力して、青森県から石川県までの海岸踏査のために調査チームを派遣した。  本報告は、これらの調査チームによる津波の調査結果を主体に、今回の津波の特性を調べたものである。本津波に関しては、定常的に行っている波浪観測システムによっても一部津波の波形および流速が観測されているので、この観測結果についても記述している。さらに、現状ではまだ津波の震源モデルが確定されていないが、比較的信頼性が高い震源モデルを用いて津波の伝播計算も行い、津波の伝播特性についても検討した。今後の技術的な課題についても述べているが、これらについては今後の研究を待たざるを得ず、これらについては、別途、研究成果を発表する予定である。
全文 /PDF/no0775.pdf