研究について

研究成果

港湾用ローラー転圧コンクリート舗装の試験施工

発行年月 港湾空港技術研究所 資料 0761 1993年09月
執筆者 八谷好高、梅野修一、野田工、工藤隆志、福手勤、三浦幸治
所属 土質部 滑走路研究室
要旨  重荷重が長期間持続的に作用するエプロン、ヤードや、重車両の混入率が高い臨港道路といった施設を有する港湾区域には、耐久性のある舗装が必要とされる。従来のコンクリート舗装の欠点を克服するものとして開発されてきた、“第三の舗装”とも称されるローラー転圧コンクリート舗装(Roller Compacted Concrete Pavement, RCCP)は、施工性や早期供用性に優れるという反面、舗装表面の仕上がり、転圧可能な厚さ、目地部の補強といった面では問題があるとされている。  港湾区域の舗装としてこのRCCPの適用性を明らかにするために、試験施工を実施し、載荷試験を行った結果を、RCCPの構造、目地構造、路面性状および施工性の観点からとりまとめた。  得られた結論は次のようなものである。 1)二層施工によるRCCを用いる場合は、意図したとおりの施工ができれば構造的には十分なものが得られる。強化路盤上にアスファルト中間層を介して一層施工が可能なRCCを施工する場合には、RCCと強化路盤との間の付着率を20%とした複合版と考えられる。 2)従来のコンクリート舗装の目地を用いることが難しいため、目地での荷重伝達機能を確保するために何らかの方策を講ずることが必要である。路盤を強化する場合には、目地を比較的小さい間隔で設けて、開口幅を小さく保つことが肝要である。 3)すべり抵抗性の点からは、グルービング工法が効果的であるが、特別な処理をしなくとも十分なすべり抵抗性を有している。 4)施工性も考慮すると、路盤を強化した上で一層施工形式によるRCC版を用い、荷重伝達装置を使用しない形式の目地を小さな間隔で設ける方式が望ましい。
全文 /PDF/no0761.pdf