研究について

研究成果

半円形防波堤部材の載荷試験

発行年月 港湾空港技術研究所 資料 0759 1993年09月
執筆者 清宮理、本多宗隆
所属 構造部 構造強度研究室
要旨  軟弱な海底地盤への対応や景観に優れた防波堤構造として半円形防波堤が提案されている。半円形部材の基礎的な力学性状の把握とコンクリート標準示方書に示される限界状態設計法の計算式に適用性について検証する目的で、実物の半円形防波堤の約1/3模型を対象に載荷試験を行う。半円形部材はプレストレトコンクリート製である。試験体の総数は4体である。載荷はゴムチューブを使用して半円形部材の内側(引き波時を想定)あるいは外側(押し波時を想定)より波力分布を考慮した分布荷重を静的に載荷する。載荷試験では部材が破壊するまでのひびわれ性状を観察し、鋼材とコンクリートのひずみ量を計測する。試験よりひびわれ発生荷重、鋼材降伏荷重および終局荷重を調べる。載荷試験では半円形部材の基部より45度付近で曲げ破壊が卓越した。コンクリートの圧壊はみられず鋼材の伸びが大きくなり終局に至った。終局段階では接合部での部材間の剥離が顕著となった。  開口部では顕著なひびわれの発生は認められなかった。試験結果と特性値を用いた限界状態設計法での終局限界の計算結果との比は、0.96-1.39であった。
全文 /PDF/no0759.pdf