研究について

研究成果

港湾における鉄筋コンクリート構造物への流電陽極方式による電気防食法の適用に関する基礎的試験

発行年月 港湾空港技術研究所 資料 0740 1992年09月
執筆者 阿部正美、福手勤、浜田秀則、三浦幸治
所属 構造部 材料研究室
要旨 港湾コンクリート構造物の塩害による劣化防止策として、電気防食による方法が検討されている。  本試料は電気防食法(流電陽極方式)によるコンクリート中の鉄筋の防食効果を検討するために、野外の暴露試験場に供試体を暴露して試験を実施し、その結果を取りまとめたものである。  得られた主な点は以下の通りである。 1)亜鉛シートを陽極材とした流電陽極方式による電気防食はコンクリート中の鉄筋への防食方法として効果のあることが認められた。 2)コンクリートにひびわれが発生し、内部の鉄筋に錆が見られる場合でも、錆を抑制する効果のあることが分かった。その上、孔食の防止効果も認められた。 3)防食電流密度や電位は温度、天候およびコンクリートの表面状態に影響されることが分かった。 4)防食電流密度は3~15mA/平方メートル程度であった。 5)通電時の電位は、海水シャワー環境において-400mV~-800mV(vsAg/AgCIEL)、陸上自然環境で-400mV~-600mV(vsAg/AgCIEL)程度であった。 6)コンクリート中の鉄筋はいずれも100mV以上の分極量を示し、防食効果の判定法としての100mVシフト基準を満足していた。
全文 /PDF/no0740.pdf