研究について

研究成果

締め固めを伴わない石灰安定処理土の耐久性調査

発行年月 港湾空港技術研究所 資料 0732 1992年06月
執筆者 寺師昌明、北詰昌樹
所属 土質部 地盤改良研究室
要旨 深層混合処理工法(Deep Mixing Method)の開発研究は、当所で昭和42年に着手され、昭和49年には石灰を用いた工法が、また昭和50年にはセメントを用いた工法が実用化された。特に後者はスラリー状の安定材を用いて大規模な港湾工事にも適用されている。  石灰やセメントによる安定処理土の特性、改良地盤の設計・施工法に関する研究は、工法の普及とともに各方面で進められている。しかし、他の地盤改良工法に比べて比較的短期間の調査から外挿して長期を推定するものであった。研究のなかには、長期安定性が確保されたとの報告や養正条件によっては表面部分から劣化が進むとの報告もあり、耐久性に関するデータの蓄積が待たれている。筆者らは、施工後直ちに港湾技術研究所構内の土槽に埋設し、地中で11年間保存してきた生石灰安定処理土を試験する機会を得た。本試験では、処理土の湿潤密度、含水比、一軸圧縮強度およびカルシウム含有量の調査を行ない、打設時のデータと比較検討を行なった。  その結果、一軸圧縮強度は打設時に比べて約3倍に増加しており、さらに含水比、湿潤密度及びカルシウム含有量にはほとんど変化が見られないことから、石灰安定処理土は長期間の耐久性にも優れ、安定した土木材料と考えられることが分かった。
全文 /PDF/no0732.pdf