研究について

研究成果

着底式くし形構造物模型の静的載荷実験

発行年月 港湾空港技術研究所 資料 0679 1990年06月
執筆者 菊池喜昭、高橋邦夫、中村竜一
所属 土質部 基礎工研究室
要旨

 軟弱地盤上に重量の軽い堤体を設置し、杭を地盤に差し込んだ軟弱地盤着底式くし形構造物が提案されている。この構造物は底面と地盤の間の付着力と杭の横抵抗力によって水平荷重に抵抗しようとするものである。このような複合的な水平抵抗メカニズムを検討するために室内実験を行い、さらに簡単な力学モデルを作成し数値計算を行った。
 その結果、以下のようなことがわかった。
1)地盤強度や杭の剛性の違いはくし形構造物の挙動に影響し、どちらも高いほど変位しにくくなる傾向にある。
2)杭の剛性が高い場合には、くし形構造物は、変位の初期から回転挙動を示し、剛性の低いときには、初期には杭のないひら形同様の水平変位を示すが、少しずつ回転挙動が顕著になる。
3)杭が受け持つ水平抵抗力の比率は部位が進むにつれて大きくなり、今回の実験レベル(模型幅50cm)では0.5cmほど変位すると水平抵抗力のほとんどを杭が受け持つようになる。
4)根入れ比Erが0.7以下dであれば、堤体の降伏荷重より求めた杭一本あたりの抵抗力はBromsの式で与えられる極限抵抗力の0.5倍以上である。

全文 /PDF/no0679.pdf